市教委との「協議」の報告~これでいいのか!?事実を教えない教育

D-TaCではこれまで、大阪市教育委員会が市内の小中学校校長に対して、「君が代」の起立・斉唱の職務命令を出すように指示した教育長通知について、市教委との協議を重ねてきました(大阪ネットと共同で)。その内容を紹介し、報告するメールを各小中学校に対して送付しています。

このたび、市教委のホームページに協議の議事録要旨等がアップされましたので、その内容の報告として各小中学校にメールを再度送付しました。
すべての教職員のみなさんに読んでいただきたいです。ぜひお知り合いのみなさんにもお知らせください。

7月13日には集会も予定しています(「君が代」処分撤回!2年目ステップ集会)。ぜひご参加ください。

今回、小中学校に送ったメールのPDFファイルはコチラです。

以下にも本文を貼り付けています。

(以下)


大阪市立学校教職員の皆さんへ

2016年7月12日

Democracy for Teachers and Children
~「君が代」処分撤回!松田さんとともに ~  (略称 D-TaC)
「日の丸・君が代」強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク

 私たちは、これまで、「君が代」起立斉唱職務命令指示の教育長通知等についての大阪市教育委員会との「協議」について紹介・報告するメールを4度にわたって送らせてもらった市民団体です。
私たちは、本年1月5日に、「君が代」指導のあり方にかかわる「質問と要請」を大阪市教育委員会あてに提出し、2月12日と3月3日の2回、市教委との間で「市民協議」を行ってきました。そのときに市教委側の持ち帰りとなった部分も含めて、最終的な報告をするためにこのメールを送らせてもらっています。

市教委ホームページに、私たちが出した要請書(「質問と要請」)、市教委の回答、2月12日と3月3日の「市民協議」の議事録要旨がアップされています。(末尾に市教委ホームページ掲載内容にかかわる注釈を載せています。)

1.(「君が代」起立・斉唱が嫌な児童・生徒の)「参加のあり方について、気持ちに寄り添った丁寧な対応を心がけることが大切」と確認

議事録要旨を読んでもらうとわかりますが、市教委の回答は、児童・生徒に対する「君が代」指導の目的は、国旗国歌を尊重する(敬意をはらう)態度の育成にあるのだから、歴史的事実であっても、その目的(国旗国歌を尊重する態度の育成)につながらないものは教える必要がないというとんでもないものでした。更に進んで、実際に市立中学校で使われた、国旗・国歌、「日の丸」「君が代」の扱いの変遷について説明した学習資料の活用を、「全体のトーン」がふさわしくないことを理由に禁止したことを正当化しました(市教委が活用を禁じた「資料:卒業式・入学式の国旗・国歌について」は、検索によって見ることができます)。その結果、多くの児童・生徒が、歌詞の意味をまったく知らないまま国歌を斉唱しているという、世界でも類のないような恥ずかしい事態になっています。市教委には、教育のあり方と根本的に反する、「事実を教えない、教えさせない」という態度をすぐに改めるよう今後も要請していきたいと思っています。

3月3日「市民協議」の議事録の最後に、市教委が「持ち帰って検討する」と答えたことが記されています。これは、「君が代」起立・斉唱が嫌だという児童・生徒に対する対応についてです。市教委は、当初、国歌斉唱指導は「思想・良心の自由」に関わる問題ではないので、そういう児童・生徒を想定する必要はないし、仮にいたとしても、教育課題として起立・斉唱を指導するという立場を示していました。しかし、私たちが強く抗議することによって、「思想・良心の自由」にかかわる問題であることを認め、「持ち帰って検討する」ことになったのです。

4月4日に、再検討の結果として届いた修正回答が以下です。(3月28日大阪市教委指導部中学校教育担当課長決済による文書です。「D-TaC~『君が代』処分撤回!松田さんとともに~」ホームページで確認ください。)

 国歌の指導は、学習指導要領に則って取り組む教育上の課題です。これに関して、教育活動の一部または全部に参加できない意思を示す児童・生徒がいた場合、その思いを尊重するとともに、指導にあたっては、児童・生徒の実態をふまえながら、参加のあり方について、気持ちに寄り添った丁寧な対応を心がけることが大切です。

 以上

これが、「君が代」起立・斉唱が嫌だという児童・生徒に対する現在の市教委の対応方針です。「君が代」の扱いの歴史的経過からすれば、起立・斉唱が嫌だという児童・生徒の存在は当然想定されなければならず、人権に配慮した対応がとられなければならないことは当たり前のことです。ぜひ、貴校におかれましても、この市教委方針に基づき、子どもたちの人権を尊重した丁寧な対応をよろしくお願いします。

2.このままでいいですか?「教育にマイナスでも、学習指導要領と国旗国歌条例に従うことだけが大切」とする教育委員会の立場

私たちは、私たちが学校に送ったメールに対して、3月9日付で大阪市教育長の通知が出されていることを知りました。私たちが2月10日に送った、2月12日の「市民協議」を紹介するメールに対して、「本市方針と著しく異なる内容」であり「影響されることなく…国旗の掲揚、国歌の斉唱を適切に実施されたい」とするものだったということです。私たちは、この通知発出に抗議し、担当の指導部中学校教育担当に「『本市方針と著しく異なる内容』とは何のことか」と問いただしました。担当者は、「不起立で教職員が処分されることに対する見解の違いを指している」と答えました。私たちは、処分の撤回を求めています。処分に関して、教育委員会の見解が私たちと違うのは当然ですが、私たちが2月10日のメールで訴えていたことは、直接、「処分を撤回しろ」ということではなく、現在の大阪市教委の「君が代」指導のあり方(処分と脅しで教職員全員の起立・斉唱を演出し、児童・生徒に歌詞の意味も教えないまま「とにかく歌え」と強制するやり方)が、教育を壊しているということでした。議事録要旨を見てもらってもわかるように、「君が代」強制が教育にマイナスの影響を与えているという私たちの指摘に対して、市教委は、「影響はわからない」と答えています。それにもかかわらず、学習指導要領と国旗国歌条例があるので、教職員への「起立・斉唱」職務命令を出すよう指示しているのだ(強制によって実施しているのだ)と答えているわけです。「教育に大きなマイナスの影響を与える」と指摘されていることに対して、「そんなことはどうでもいい。学習指導要領と国旗国歌条例に従うことだけが大切だ。」と答える教育委員会の姿勢は異常だと感じます。学習指導要領と国旗国歌条例を根拠に、事実を児童・生徒に伝えてはいけないとしている教育委員会の姿勢も同様に異常です。本当にこのままでいいのでしょうか。私たちは、教育にとってどうなのかということを一番に考える当たり前の学校・教育委員会であってほしいと願って、メールを通して問題提起をさせていただきました。

3.「『君が代』強制は人権侵害」とする大阪弁護士会勧告が出ています

なお、最後に、大阪弁護士会が、本年3月18日、「今後、学校における『君が代』の斉唱の実施及びその指導にあたり、教育現場の管理職、教職員、生徒、保護者らの思想良心の自由を尊重し、『君が代』の起立斉唱を教職員及び生徒に強制してその思想良心の自由を侵害することのないよう勧告する」等を内容とする勧告書を大阪府教育委員会と大阪府立A高等学校長あてに出していることも指摘しておきたいと思います。大阪弁護士会は、同じ、3月18日、「教職員に対してその思想信条に反して国歌斉唱の際に国旗に向かって起立して斉唱すること(以下『起立斉唱行為』という。)を強制することがないよう、本件条例の一部改正又は一部廃止の議案を上程するよう要望する」ことを内容とする要望書を大阪市会議長に対して出しています。(「『日の丸・君が代』強制反対・不起立処分を撤回させる大阪ネットワーク』ホームページに全文掲載しています)

◆大阪府教育委員会・大阪府立A高等学校学校長あて大阪弁護士会勧告書
http://www7b.biglobe.ne.jp/~hotline-osaka/asima-kankoku.pdf

◆大阪市教育委員会・大阪市立H小学校校長・大阪市会議長あて大阪弁護士会要望書
http://www7b.biglobe.ne.jp/~hotline-osaka/takaino-youbou.pdf

これらの勧告・要望についてもぜひしっかり読んでいただき、学校のあり方、「君が代」実施と指導のあり方について、再考いただくよう重ねて要望いたします。

 

※このメールで紹介した市教委ホームページ掲載内容にかかわる注釈

大阪市教育委員会ホームページで「団体等との交渉状況→各種団体との協議等→団体との協議等の実施状況一覧→2015年度→Democracy for Teachers and Children 他1団体」で検索すると見ることができます。
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/dantaikyogi/kyoiku/0000339702.html
私たちは、「市民協議」に先立って、市教委回答について聞きたいことをまとめた文書(「2月12日『協議』に向けた質問」)を2月5日付で提出しており、「市民協議」は、この質問(6点)にそって行われました。
(「2月12日『協議』に向けた質問」は「D-TaC 松田さんとともに 2月12日『協議』に向けた質問」で検索すると見ることができます。)
https://democracyforteachers.files.wordpress.com/2016/02/question20160205.pdf
その6点の質問が、2月12日協議議事録要旨の「団体要望概要」の最初のア~カです。それに対応する市教委の回答が、「本市説明概要」のア~カとなっています。その後も、「団体要望概要」のカタカナ記号と「本市説明概要」のカタカナ記号が対応しています。

以上です。

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