【報告】コロナ在宅勤務不払い裁判 大阪高裁10月17日第1回期日で結審

【報告】コロナ在宅勤務不払い裁判 大阪高裁10月17日第1回期日で結審

判決日⇒1月24日(水)13:15 大阪高裁(別館)82号法廷

地裁原告 松田幹雄

遅くなりましたが、10月17日のコロナ在宅勤務不払い裁判大阪高裁第1回期日の報告をします。

15時20分に裁判所別館82号法廷で開廷された第1回口頭弁論傍聴には、20人以上の方に駆けつけていただきました。ありがとうございました。

法廷入り口に貼り出してあった審理日程で、大阪高裁の担当裁判官が、第2民事部5係の3人、裁判長三木素子さん、裁判官池上尚子さん田中俊行さんであることを知りました。

第1回口頭弁論では、大阪市(地裁被告 控訴人)からの提出書証控訴状控訴理由書附帯控訴答弁書人証申請書)と(地裁原告 被控訴人)からの提出書証控訴答弁書附帯控訴状)の確認(陳述)があり、双方から地裁提出書証の陳述を確認した上で、裁判長は、大阪市(控訴人)の人証申請について、こちらに意見を求めることなく「必要ないと判断した」と却下しました。そして、結審することを宣言。判決日を、1月24日(水)13:15と告げて閉廷しました。

場所を大阪弁護士会館に移して行った報告集会では、藤原航弁護士櫻井聡弁護士からこちらの提出書面(控訴答弁書、附帯控訴状)についての説明とこの日の高裁の訴訟指揮についての解説がありました。

大阪市側の人証申請は、地裁で大阪市が人証申請した3人(校長、副校長、教頭)のうち、裁判所が人証を認めなかった副校長の証人尋問を求めるものでした。人証申請があれば相手側に意見を求めるのが通例だが、明らかに必要ないものだったので裁判所はこちらの意見を聞くこともなく却下したということです。大阪市の主張は、控訴理由書での主張と附帯控訴答弁書の主張が全く矛盾しているなど、支離滅裂。代理人が、雇い主の大阪市に対して努力した姿勢をアピールするために、何でもいいから量を増やすために主張できることを探したのではないかと思えるひどいものでした。

 「大阪市側の控訴棄却、こちらの附帯控訴については、一部認をめて賠償額増額」の高裁判決となることを期待しています。判決にご注目ください。

 大阪市の主張は前述の通りグダグダですが、ただ、ずっと一貫している主張があります。「発熱などの体調不調がなかったのだから出勤命令は当然」というものです。こちらの附帯控訴状のこの部分に対する反論を一切しないで、一方的にこの見解を述べた部分は、大阪市(横山市長)新型コロナ感染対策に対する無理解の証拠新型コロナ感染症関連死全国1位要因・証拠だと思われるので、ここに抜粋しておきます。

私の附帯控訴状P9~P10の部分

ウ 本件出勤命令の業務上の必要性・相当性がないこと

(ウ)欧州からの帰国者による感染が急増している状況

 令和2年3月17日専門家会議は、厚生労働省に対して、「海外での急激な流行の進展により帰国者および訪日外国人が新型コロナウイルスを持ち込む蓋然性が高くなっている。最近、海外からの移入との関連が疑われる事例が急増」。「特に、ヨーロッパ諸国…からの移入が疑われる事例が3月10日以降増加」等と指摘した上で、「入国拒否の対象となる地域からの帰国者は検疫時において健康状態を確認し、症状の有無を問わず、検疫所におけるPCR検査を実施」、「それ以外に感染者が多数に上っているヨーロッパ諸国等…から入国する者に対して、2週間の自宅あるいは宿泊施設などで待機して自己健康観察を実施し、国内において公共交通機関を使用しないよう要請」した(甲5の1、甲14)。同月18日に行われた新型コロナウイルス感染症対策本部(第20回)では、「水際対策強化に係る新たな措置」という書面が配布され、一定の州以外のスイスからの入国者には、3月21日午前0時以降から「検疫所長の指定する場所で14日間待機し、国内において公共交通機関を使用しないことを要請」されたことが確認された(甲5の2、甲5の3)。

 被控訴人は入国拒否対象地域の州以外のスイスからの入国者にあたり、もし被控訴人の帰国(3月17日)が数日遅れて、3月21日午前0時以降であったとすれば、上記要請の対象となっていた。もっとも、同日より前の入国者が感染の危険という点で安全かというとそうではなく、同日以降に設定されたのは、検疫の強化の態勢が整うのが同日であったからに過ぎない。

大阪市(横山市長)の附帯控訴答弁書P9の部分

2「第1の3」(国賠法1条1項に基づく損害賠償請求)について

(2)「(2)」(違法な出勤命令)について

カ「ウ(エ)」についても、感染を拡大させる危険性について、体調不良等が生じていなかった附帯控訴人が他の教職員よりも危険性が高いという具体的危険性はなかった(そうである以上、附帯控訴人の主張単なる妄想の域を出ないし、そこまで言うのであればスイスに行くべきではなかった。)。」

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